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緩和ケア医が見つめた「いのち」の物語

2000人以上の末期がん患者と接し、自身もがんを患った医師がつづる心揺さぶる物語

著者 堀 泰祐 著
ジャンル 小説・エッセイ・詩集
出版年月日 2015.03.23
ISBN 9784864103961
判型・ページ数 4-6・200ページ
定価 本体1,389円+税
在庫 在庫あり

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内容紹介

生と死のはざまで、「生きること」の意味を考える。

2000人以上の末期がん患者と触れ合い、自らもがんを患った緩和ケア医が語る、心揺さぶる物語の数々。

「太陽の光あふれる戸外では映画のスクリーンがよく見えないように、明るい生を生きている人には、いのちの姿はぼやけて見えません。

暗い室内で映画がはっきりと見えるように、死と向き合うことで、いのちが鮮明に見えるようになります」(本書より)


目次

はじめに~人生が完成を迎えるとき

第1章 もてなしの緩和ケア
・「ようこそ。心を込めてお世話します」
・「ついに来ました」
・緩和ケアは「いつでも、どこでも」 
・真夏の病室に咲いた「花火」
・「アポロ電車」に乗って
・きっといつか、また会えると信じて
・看護師さんが悪者に 
・寄り添うこと、話を聞くこと
・私服で診察
・「先生が好き」
・医者の存在そのものが薬になる 

第2章 家族のきずなの物語
・「お父さん、ありがとう、ありがとう」
・別れを受け入れるための時間
・「百万本のバラ」の思い出
・乳房温存手術を選んだわけは
・わが子に病気を伝える
・「罰が当たったんやと思う」
・「秋に実をつけ、冬には枯れて土に戻る」
・在宅緩和ケアの可能性について
・ケアをする側とケアを受ける側
・ご遺族の自死
・すばらしい最期の贈り物
・ようやく五年で――時間という薬

第3章 備えること、生きること
・事前指示書のすすめ
・葬儀の演出を自分で考えた看護師さん
・「私のことを書き残してください」
・生前葬の目的
・医者が患者になったとき
・技を伝える、いのちを伝える
・希望の旅立ち

第4章 痛みの意味
・痛みの感じ方は人によって違う
・鎮痛剤では癒せない「痛み」
・メビウスの帯になった夢
・科学者には答えの出ない問題
・「今は、甘えてもいいのよね」
・「何のために生きてきたんやろう」
・トイレだけは自分で
・「こんなことなら、早く死なせて」
・「神なんて、いないのよ」
・「こんな私でも、世の中の役に立ててよかった」 

第5章 緩和ケア医、がん患者になる 
・「まさか私が」と「やはり、私も」のあいだで
・見慣れているはずの「がん細胞」が
・自分の病状を知りたい
・ストレスの自覚がない生活
・手術法の選択 
・手術前の不安
・手術台から見上げた手術室の光景
・胃を全摘したあとの食欲
・心と身体、想像以上の変化にとまどう
・「五人に四人は助かる」の無責任さに気づく
・手術後に抗がん剤治療を受けた理由
・抗がん剤治療の是非について

第6章 がんが教えてくれたこと
・そばにいてくれるだけでいい
・自分にとって「かんじんなこと」は何?
・ポジティブな感情を言葉にする
・良い励まし方、悪い励まし方
・私の苦しみをわかってほしい
・同病者の体験談が大きな励みに
・がんとの戦いに疲れたら――母性の役割
・不安から生まれた柔らかな心
・メメント・モリ――今を大切に生きる
・無意識からのメッセージ
・影があるから光が輝く
・自己実現と解放感
・病の理由 
・死は「自分だけのもの」ではない

第7章 がんと心
・サイコオンコロジー――がん治療に心のケアを
・キューブラー・ロスの五段階説を考える
・「否認」は心を守るための防波堤
・湧き起こる「怒り」に対処するには
・「取引」の心理がはたらくとき
・「抑うつ」には適切なメンタルケアを
・八割の患者さんに起こる「せん妄」
・「受容」は目標ではない 
・「何をしてあげたらいいのか」への私の答え
・緩和ケアは決して「敗戦処理」ではない
・希望を支える  

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