偏狭なナショナリズムでも外国本位の自虐でもない、「世界の中の日本」の位置と力を知るバランスのとれた複眼思考
著者 | 平川 祐弘 著 |
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ジャンル | ビジネス・政治・経済 |
出版年月日 | 2016.07.25 |
ISBN | 9784864104982 |
判型・ページ数 | 4-6・352ページ |
定価 | 本体1,500円+税 |
在庫 | 在庫僅少 |
○偏狭な国家主義でもなく、欧米本位や中国・韓国一辺倒の自虐でもない、複眼的思考
○世界の中の日本がいかなる国であったかを振り返る、バランスのとれた歴史観
「三点測量は一辺倒を排し、複数の相手を知り、己を知る、歴史や文化の測量術...過去の日本を国史として見るだけでなく世界の中の日本として眺める。そんな私は、お悧巧さんではないので東京裁判史観に従うつもりはないが、それだからといって戦前の日本がすべて正しかったと言い張る単純な愛国者の強がりに与するつもりもない」
「戦前の日本軍部は世界の中の日本の力がどの程度かを認識せず、国を誤った。...戦前の一国ナショナリズムのあらわれである日本の絶対不敗の信念と、戦後の日本の『諸国民の公正と信義に信頼』するという絶対平和の信仰とは、一つのコインの表裏であり、ともに幼稚な発想であることに変りはない。世界の中の日本の位置と実力を見つめようとしないからである」
「わが国は二十一世紀、国際社会の中でいかに生きるか。その国家としての問題を比較史的に、米中日三角関係の歴史の中で考え直すと、自ずと新しい視角が開けるだろう」
【著者略歴】1931年東京生まれ。東京大学名誉教授、比較文化史家。フランス・イタリア・ドイツに留学し、北米・中国・台湾などで教壇に立つ。
第Ⅰ部 国家の運命
第一章 「安倍談話」と昭和の時代
第二章 日本再生への処方箋――愛すべき日本、学ぶべき明治
第Ⅱ部 比較研究者として
第三章 昭和天皇とヴィクトリア女王
第四章 私たちが尊ぶべき日本の宗教文化とは何か
第五章 『五箇条ノ御誓文』から『教育勅語』へ
第六章 『福翁自伝』とオランダの反応
第七章 新渡戸稲造の『武士道』
第八章 日中関係史を解き明かす周作人の伝記
第Ⅲ部 時事評論
第九章 「マルクスが間違うはずはありません」
第十章 『朝日』の正義はなぜいつも軽薄なのか
第十一章 日本の知識人は台湾問題でなぜ声をあげないのか
第十二章 史実に基づく修正までなぜためらうのか