飛鳥新社

お問い合せ
ホーム > 書籍紹介 > NHKラジオ深夜便 絶望名言2

NHKラジオ深夜便 絶望名言2

NHK<ラジオ深夜便>の人気コーナー、書籍化第2弾!

著者 頭木弘樹 (著)・ NHK〈ラジオ深夜便〉制作班 (著)・根田知世己 (著)・川野一宇 (著)
ジャンル 人文
出版年月日 2019.11.21
ISBN 9784864107242
判型・ページ数 46判・並製・280ページ
定価 本体1400円+税

ネット書店で検索

内容紹介

NHK〈ラジオ深夜便〉の人気コーナー、書籍化第2弾!

病気、事故、災害、あるいは、失恋、挫折、そして孤独......

人生における受け入れがたい現実に直面した時、人は絶望します。

古今東西の文豪・音楽家・芸術家たちもまた、例外ではありません。

絶望に行き当たり、絶望を見つめ、絶望の中で書き留められた珠玉の言葉たち。

本書では、そんな「絶望名言」から、

生きるためのヒントを探します。

[登場する文豪・音楽家・芸術家たち]

中島敦

ベートヴェン

向田邦子

川端康成

ゴッホ

黒澤明

古今亭志ん生

遠藤周作

[内容紹介]

絶望したとき、人はひどく孤独になります。

絶望には孤独がもれなくついてきます。

「この気持ちは誰にもわからない」と思うからです。

実際、誰にもわかりません。

自分とまったく同じ体験をした人を探そうとしても無理ですし、

もしいたとしても、感じ方はちがったりします。

でも、絶望の言葉を知ることで、

「ああ、これこそが自分の絶望の気持ちだ......」

と思えることがあります。

そこが名言の力です。

そう思えれば、そこに共感が芽生えます。

このことが孤独を癒します。

そして、だんだんと、その言葉は他の人にもあてはまることに気づいていきます。

絶望から、せめて孤独だけでもひきはがすことができるのです。

完全にではなくても。

(著者/本書「はじめに」より)


目次

はじめに 名言を思いきり自分に引き寄せて読む 頭木弘樹


絶望名言(一)中島 敦  自分にふさわしくないことが起きるという絶望に

1 全力で努力することができない

2 嫌なことを避けるだけでは幸福になれない

3 人生が思いがけないほうにそれていく

4 絶望音楽「パラオ恋しや」岡晴夫

5 優先順位エラー

6 「かわいそうに、かわいそうに」


◆中島敦 ブックガイド

絶望名言ミニI 黒澤 明  明るさにかえって落ち込むという絶望に

明るい音楽が、かえって気持ちを暗くする

失恋したときには失恋ソングを

強くて、大きくて、輝かしい黒澤明

身体が弱く、気も弱く、泣き虫だった黒澤明

決して悲しみを知らない人ではない

明るい音楽で、なぜ暗い気持ちになったのか?

父の死の知らせと「郭公ワルツ」

ボジティブな言葉で、かえって気持ちが沈む

絶望したときには、絶望の言葉を


◆黒澤明 ブックガイド

絶望名言(二)ベートーヴェン  最も失いたくないものを失うという絶望に

1 難聴という悲愴──偶然ということの苦しさ

2 運命は、あきらめるしかないのか?

3 希望を捨てて、絶望の歌をうたう

4 不滅の恋人、実らぬ恋の連続・・・…

5 「わかってもらえない」という絶望

6 絶望から歓喜へ


◆ベートーヴェン ブックガイド

絶望名言ミニII 古今亭志ん生  目をそらすことができない絶望に

「する」のではなく「味わう」

一五歳で家出して、戻らず

なめくじ長屋の「うわばみの吐き出され」

電車のレールみたいな貧乏

びんぼう自慢

じっくり味わうなんて、苦痛でしかないのでは?

味わうほうが、まだしも救いに?

絶望観察日記

ため息は深呼吸

知性化

絶望を観察すると、苦悩が抑えられる

「絶望する」のではなく「絶望を味わう」


◆古今亭志ん生 ブックガイド

絶望名言(三)向田邦子  家族がいる絶望、家族がいない絶望に

1 生きる悲しみ、食べる悲しみ

2 断ち切れない家族熱

3 生きていけないけど、死ぬには未練がある

4 絶望音楽「辛い別れ」アン・マレー

5 おかしな形で安定している

6 本心を伝えないためにしゃべっている


◆向田邦子 ブックガイド

コラム  なり切り坊や 川野一宇

絶望名言(四)川端康成  矛盾を抱えて生きるしかないという絶望に

1 言葉が痛切に響くとき

2 大事な記憶ほど変化している

3 「こうしたいけど、しなかった」はダメなことなのか?

4 絶望音楽「春の海」宮城道雄

5 どんなに親しい相手でも秘密を持っている

6 自殺はよくないと言っておいて自殺

7 自分の性質が歪(ゆが)んでいる


◆川端康成 ブックガイド

絶望名言ミニIII 遠藤周作  自分がダメに思えて苦しいという絶望に

恥ずかしいことを思い出して、声を上げてしまう

関東大震災の年の生まれ

踏み絵を踏まなかった人たちではなく、踏んでしまった人たち

狐狸庵(こりあん)先生

自分のダメさを語るエッセイの元祖

立派な純文学の作家とされている人が!

過去の恥ずかしいことを思い出して「アアッ」

ものの役に立つとか立たないとか

友として語るに足りぬ

私一人かと思ったら……

音痴の人しか入団できない合唱団

その弱さは芯の芯まで自分に付きまとっているのだ

ダメさを楽しむ境地に至ったのは?

弱くてダメというのも、楽しそうだなあ


◆遠藤周作 ブックガイド

絶望名言(五)ゴッホ  周囲に理解してもらえないという絶望に

1 悲しいものに向けられるまなざし

2 不本意ののらくら者

3 得体の知れない悩み

4 絶望音楽「ヴィンセント」ドン・マクリーン

5 不幸は当人の責任以上に大きくなる

6 助けを求めようもない状態に追い込まれる

7 悲しみに傷ついた心に慰めを与える


◆ゴッホ ブックガイド

あとがき  時空を超えたサポートグループ  NHKディレクター 根田知世己


著者紹介

頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)
文学紹介者。筑波大学卒業。編訳書に『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)、『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』(飛鳥新社/草思社文庫)、著書に『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)、『絶望読書』(飛鳥新社/河出文庫)。選者を務めたアンソロジーに『絶望図書館 立ち直れそうもない時、心に寄り添ってくれる12の物語』(ちくま文庫)がある。

根田知世己(こんだ ちよこ)
N H Kエデュケーショナル・プロデューサー。
東京外国語大学卒業。2002年、N H K入局。
2014年-2018年『ラジオ深夜便』担当
制作番組に『今日は一日“ サッチモ” 三昧』、『春風亭昇太のレコード道楽』、
『蓄音機ミュージアム』、『トキメキ☆ 源氏絵巻』、
『らじるの時間』、『らじる文庫』、『中学生の基礎英語 レベル2』、
『中高生の基礎英語 i n E n g l i s h 』など。

川野一宇(かわの かずいえ)
アナウンサー。東京大学卒業。1967年、N H K入局。
佐賀、名古屋、東京、京都、仙台、福岡などに勤務。
京都では表、裏、武者小路千家、藪ノ内など各流派の茶の湯の番組を手がけた。
2000年から17年間ラジオ深夜便の司会をつとめ、
歴史のコーナーでは数多くの研究者、小説家などにインタビューを重ねる。
またスウィングからモダンまでのジャズとクラッシック音楽を好み、
放送に生かす。2016年からは『絶望名言』を担当。

RECOMMEND BOOKS

トップへ戻る