中朝関係史からみた半島国家の生存術とは。大国を翻弄し、無用の戦争に巻き込む「東アジアのトラブルメーカー」の行動原理に迫る
著者 | 石平 著 |
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ジャンル | ビジネス・政治・経済 |
出版年月日 | 2016.05.06 |
ISBN | 9784864104616 |
判型・ページ数 | 4-6・232ページ |
定価 | 本体1,389円+税 |
在庫 | 在庫僅少 |
過去の反省から、戦後日本では朝鮮史を「大国に翻弄された被害者」と同情的に見るのが一般的だった。だが日本中心の視点を捨てて、中朝関係史をくわしく見れば、韓民族が主体的に外国からの侵略軍を招き入れ、民族内部の主導権争いと国家統一にくり返し利用してきたことがわかる。二千年近く中国に向けられてきた、悪癖ともいえる特異な行動原理が、近代では日清露に、そして戦後は米中ソに対して発揮されたことを、本書は冷静に解き明かしていく。
たとえば高麗王朝は、政権内の粛清と国内反乱の鎮圧のため、モンゴルの軍事介入を頼みにしたことで、日本遠征・再征の主役を、自らかって出るようになった。
あるいは朝鮮戦争では、金日成が自分のために戦争を開始しただけでなく、李承晩が無理やり引き延ばしたために、自民族の犠牲が極大化し、米中の若者に無駄な流血を強いることになった。半島政治の指導者層こそ、歴史の加害者なのである。
現在の北朝鮮と韓国のふるまいも、「千年不変の被害者」の行動ではなく、民族内対立に外国を巻き込んで利用しようとする結果、地域の軍事的緊張を高め、無用の戦争を起こす「東アジアのトラブルメーカー」の伝統に忠実な証だという。
著者独自の東アジア史を俯瞰する視点は、二国間の感情に引きずられがちな日本人の、朝鮮半島における「戦争と平和」への見方に、大きな修正を迫るものとなる。
渾身の書き下ろし!
第一章 侵略軍を半島に招き入れた「三国統一戦争」
第二章 日本侵略の主役となった高麗王朝の生存術
第三章 アジアの大迷惑だった朝鮮王朝の「近代化」
第四章 朝鮮戦争最大のA級戦犯は李承晩だった